◆ 「江戸」の印を持つ謎
12 件の謎が連なり候。
- ◆ 巷に聞こゆる声
辻に立てば、三つの話が耳に入り申す。三つとも、耳には一つの言葉にござる。さて、何と申すか。
- ◆ 一枚足らぬ
まだ日の高き縁側に、皿が一つ。そこから一枚、持つて行かれるところにござる。江戸の鐘が告げし刻の名、今なほ絶えてをらぬそれは何と申すか。
- ◆ 噛み合はぬ楽しみ
夢枕に立つたご先祖が、近ごろの世の三つを咎めてをられる。拵へるな、商ふな、ともすな ── されど川口ならば格別なれど。ご先祖は何を咎めてをられるか。
- ◆ 三図誰そ彼 其の二
酒を醸し、川を鎮め、五十にして十九も年下の師に頭を下げた男。三つの図は、いづれも同じ一人の生涯にござる。誰そ彼。
- ◆ 番頭、湯を沸かす
暖簾のかかるうち、主人の書置き一行。筆は達者、字は続け字。番頭は盥に湯を汲み、客を待つてござる ── されど読み違へてござる。句読点を持たぬ江戸の文に託した一問。
- ◆ 仕舞ひ残しの間
秋も近きに、この一間ばかりは夏のまま。仕舞はれぬ道具のうち一つ、江戸の世を知らぬものが紛れてござる。いづれにござるか。
- ◆ 異国よりの一鉢
江戸の縁側に、赤い実を垂らした鉢が一つ。二百余年、この実は膳に上ることなく、ただ眺められてござつた。今は、さうではござらぬ ── 異国より渡り来た一株に託した一問。
- ◆ 借り花の皿
桜、牡丹、紅葉。盛りの季は三つとも別にござるに、一枚の皿の上では揃うて咲いてござる。花の名を掲げ、まことの品は口に出さぬ ── 江戸の店先に生きた符丁に託した一問。
- ◆ 三図誰そ彼 其の一
三枚の絵に描かれし、寒暖計と掛軸と見せ物の会。いずれも同じ一人の手によるものにござる。名は伏せてござれば、図から辿って当ててみられよ。月に一度の人物謎、その一本目。
- ◆ 海の日、判じ絵三景
海の日に投じた判じ絵三枚。逆さの靴、半分覗く札、縄をかけた荷 ── つなげて読めば夏の飯の友。答へと解き筋、そして佃島の由来まで。
- ◆ 八五郎の三枚の絵解き
長屋の与太話より一席。三枚の絵に隠れし三つの言の葉を、真名に継げば、ひとつの名が立ち上がり候。
- ◆ 三句三図・其の二
絵三幅に潜む三句、其の詠み手や誰そ。