難易度 ★★★★☆

八五郎の三枚の絵解き


八五郎の三枚の絵解き

長屋の隣より、かかる与太話の漏れ聞こえ候。 八五郎(はちごろう)とやら、三枚の絵を前に、熊(くま)さん相手に頭を抱えておりまする。まずは、その一席をお聞きあれ。

御題

「おい熊さん、こいつぁ参った。 この三枚の絵、それぞれを言葉にして、漢字にして並べると、誰もが知る『ある名』になるってんだ。 梅雨どきにゃ、そこいら中で咲いてるってのによ ── 俺にゃ、さっぱりだ。 お主、解いてくれ」

三幅の絵 ── 鮨屋の醤油皿、縁側で日を浴びる男、鼻を指す老人(上の図を参照)。

さて、八五郎に代わって、お主はこの三枚、解けるかな。

三枚の絵、それぞれ一字に化けるが筋

絵をそのまま見るべからず。まずは各々を 言の葉 に直し、その言の葉を 真名(漢字)一字 に置き換えなされ。三字を継げば、梅雨に咲く花の名となり候。

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答えは 紫陽花(あじさい)

三枚の絵は、それぞれ一字に化け申す。

言の葉真名
鮨屋の醤油皿江戸前の符牒「むらさき」
縁側で日を浴びる男ひなた
鼻を指す老人はな

継いで ── 紫 + 陽 + 花 = 紫陽花(あじさい)

醤油を「むらさき」と呼ぶは、鮨屋の符牒。日向(ひなた)の「陽」、鼻(はな)の「花」と継げば、梅雨を彩るあの花が立ち上がり申す。

八五郎、膝を打って「こいつぁ一本取られた」と。 牡丹に涙、青梅と続きし梅雨の帖、この紫陽花にて、ひとまず結びにござる。 また、問ひの夜に。

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