難易度 ★★★☆☆

新緑の薫風、膳に満つる図


新緑の薫風、膳に満つる図

皐月の風、青葉を抜けて袖をすべる頃にて候。

膳の上に積みし黄金の天婦羅、見るからに香ばしき一皿にござる。 されど、よくよく眺むれば、衣に何やら描かれておる。 紫陽花、菖蒲、鯉幟、紅梅小鳥、七草 ── いずれも季節を映す景色なり。

「描かれておる」ことそのものが、いかなる季節の習わしを示すか。 お主の目利き、いざ試され候。

御題

【作問修行】新緑の薫風、膳に満つる図 盆の上の黄金色の揚げ物。 箸を伸ばせばサクと音が響く一枚。 ただこの一皿が「描かれておる」ということそのものが、いかなる季節の習わしを表しておるか。 お主は見破れるかな?

衣に描かれし、いずれの景か

天婦羅の身ではなく、其の のさまをよく見られよ。 衣に描かれし景色は、いずれも季節を異にするもの。 ことば一つにて、二つの意味あり。

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答えは 「衣替(ころもがえ)」 にて候。

部分仕掛け
天婦羅の 揚げ衣のこと
衣に描かれし 紫陽花・菖蒲・鯉幟・紅梅などの季景
衣 + 絵「衣が絵」と読み、即ち「衣替(ころもがえ)」

衣替の由来

衣替は、宮中の儀礼として始まりし習わし。 旧暦四月一日、夏装束に改むるを「更衣(こうい)」と申し、後に庶民の間にも広まり候。 明治の御代より新暦六月一日と定まり、今に伝わる衣替の風景となり申した。

衣に絵あり、絵に季あり。 和語の妙、まこと尽きせぬものかな。

次なる謎、また改めて。

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