難易度 ★★★☆☆
壁書と襖絵、初夏の風物詩
梅雨ばしりの頃おひ、座敷に籠りて手すさびに、壁へ襖へと仮名文字を書き散らし候。
傍目には、ただの戯書き。なれど、その仮名を真の名に直し、二つの字に通ふ一字を拾ひ集むれば ── 初夏に親しき風物詩ひとつ、座敷の真中にふと結ぶ仕掛けにござる。
さて御身には、この戯書き、いかに読み解かるるか。
御題
雨多き頃、座敷に籠る徒然に筆を走らせし戯書きあり。 壁書と襖絵、各々の仮名 ── まづ真の姿を顕し、通ずるものを重ね合はせよ。 さすれば、初夏に親しき風物詩、部屋の真中に現はる。
仮名を真名に直さば、通ふ一字あり
壁書・襖絵、各々の仮名を、まづ漢字に直されよ。
さすれば、二つの字がそろつて抱く一字が、おのづと浮かび上がり申す。その一字を三つ、順に重ね合はするが、解きの肝にて候。
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答えは 青梅(あおうめ)。
各々の仮名を真名(漢字)に直し、二つの字に通ふ一字を拾へば、かやうになり申す。
| 仮名 | 真名(漢字) | 通ふ一字 |
|---|---|---|
| きよく・しずか | 清・静 | 青 |
| しょく・じゅ | 植・樹 | 木 |
| うみ・あなどる | 海・侮 | 毎 |
まづ「木」と「毎」を重ねて 梅。さらに「青」を冠して ── 青梅。
「梅」の字そのものが「木 + 毎」より成る故、三つの一字は二段に組み上がる仕掛けにござる。
青梅とは、未だ熟さぬ梅の実。入梅の頃に採れ、梅酒・梅干しの仕込みに用ゐられ、初夏の到来を座敷の隅まで告ぐる、まさしき風物詩。雨の座敷に書き散らされし仮名のうちに、季節の実ひとつを潜ませ申した。
仮名はうたかた、真名は実。仮の名を真の名に返してやれば、文字のうちに季節の実が結ぶ ── 言の葉に景色を宿すとは、かやうなる戯れにこそ。
次なる謎、また改めて。