難易度 ★★☆☆☆

四つの花時計、紛れあり


四つの花時計、紛れあり

梅雨も明けて、いよいよ花の見ごろ。ある日、十二の刻(とき)を刻んだ時計の、その盤(ばん)のぐるりに、四つの花を咲かせ申した。

朝に藍、昼に紅、夕べに白、夜にまた白 ── いづれも己が時を選びて咲く花にて候。時計の針が巡るごとく、花もまた、刻を違へて開いてゆく。

まづは、その四つの名を読み解かれよ。合点がいけば、なほ奥がござる。

御題

【作問修行】四つの花時計、紛れあり

梅雨も明けて、いよいよ見ごろの花に因みて、時計の盤の上に、四つを咲かせ申した。

朝に藍、昼に紅、夕べに白、夜にまた白 ── いづれも時(とき)を選びて咲く、花にて候。その四つの名を、読み解かれよ。

小手調べ ── 咲く刻に「顔」を添へて

盤に描かれし花は、いづれも「咲く時刻」を名に負ふ花にて候。

朝・昼・夕・夜 ── その一字一字に、「顔」の字を添へてごらんじろ。朝顔、昼顔 …… おのづと、聞き馴染みし四つの名が立ち上りまする。

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答へは ── 朝顔・昼顔・夕顔・夜顔

いづれも咲く刻を名に負ふ、「◯◯顔(がお)」の四花にて候。

花の名
朝顔(あさがお)
昼顔(ひるがお)
夕顔(ゆうがお)
夜顔(よるがお)

朝に藍、昼に紅、夕と夜には白 ── 盤の色は、そのまま花の色にて候。時計の巡りになぞらへて、時を違へて咲く四花を、ぐるりに並べ申した。

おまけ ── 紛れ者は誰そ

四花の名が知れたところで、いま一問。これは翌日、引用にて重ねた第二の問 ── 表の易しさに引き替へ、少々、骨がござる。

さて、この四花のうち一つだけ、ほかと素性を異にする者が紛れており候。

どれが外れ者か。そして、その者が秋にもたらす”あるもの”とは何か。知る人ぞ知る、夏のお膳の品にて候。

血筋(科)を辿れば

花の姿かたちにあらず、その血筋 ── すなはち「科(か)」を辿ってごらんじろ。

朝・昼・夜の三花は、みな同じ血筋。されど一つばかりは、まるで違ふ家の出にて候。しかもその一つは、花のみならず「実」もまた、我らの膳に馴染みが深い。

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紛れ者は ── 夕顔

朝顔・昼顔・夜顔は、いづれもヒルガオ科の一族。されど夕顔ばかりは、瓜(うり)の仲間 ── ウリ科の出にて候。名に「顔」を負ひて三花に紛れながら、その血筋は、隣家(となり)の瓜にありき。

朝顔ヒルガオ科
昼顔ヒルガオ科
夜顔ヒルガオ科
夕顔ウリ科(紛れ者)

さて、その夕顔が秋にもたらす”あるもの”とは ── **干瓢(かんぴょう)**にて候。夕顔の実を、薄う薄う削ぎて日に干せば、あの白き干瓢と相成る。巻き寿司に、煮物に ── 夏より秋へ、膳を彩る品。その素性はといへば、時計の盤に紛れし一輪の花にてありき。

四つの名を読み、なほ一つの紛れ者を暴く ── 二重に仕掛けし、重ね問の一作にて候。表の易しさに油断めさるな、裏には存外の骨がござる。

次なる謎、また改めて。

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